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洋書を主とした読書&映画の感想(ネタバレしてます)が中心の、自分用のメモです。
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The Shakespeare Secret
(J.L. Carrell)

ロンドンのグローブ座で「ハムレット」の演出を任されることになったアメリカ人のケイトの前に、大学時代の恩師でシェイクスピアの権威のロズが突然現れる。ケイトが研究の道を捨て舞台を選んで以来、ロズとは音信不通になっていたものの、今度はどうしてもケイトの助けが必要だという。断るつもりだったがグローブ座が火事で焼け落ち、焼け跡から殺されたロズが発見され、ケイトは残された手がかりを追うことに…。


裏表紙には"A deadly serial killer is on the loose, modelling his sickening murders on Shakespeare's plays."とあったので、シェイクスピアを題材とした連続殺人ものかと思ったら、「ダヴィンチ・コード」的な展開でした。

テーマは「行方不明のシェイクスピアの脚本」と「シェイクスピア別人説」。いかにも面白そうだけど、なにせ主人公が巻き込まれることになる動機がどうにも弱い。(ロズが殺されなければあっさり断ったのではないかと…〉

それに人を殺す必然性が感じられないんだよな~。もしこれまで未発見のシェイクスピアの脚本が見つかる(かも)となれば、目の色を変えて欲しがる人は当然いるでしょう。もちろん世界中から注目が集まるだろうし。でも「なにがなんでも手に入れたい!」というコレクター魂が発揮されても、殺してまで欲しいか?ってなると、ちょっと。

だってオリジナルを手にする価値はそれはあるだろうけど、あくまで紙もの、あくまで脚本。絵や彫刻と違って、いったん本の形になってしまえば、誰でも手にして見ることのできるもの。それに脚本だから舞台の上に乗せてはじめて、その価値が本当に試されるもの。→それにある俳優が、ある役で伝説になるような名演を見せたにしても、舞台って生ものだし…。役は一人の役者だけのものけじゃなくて、さまざまな役者が、それぞれの解釈をみせるものだし。←と考えると、やっぱり動機が弱すぎ。

でもテーマとしては面白いので、「ダヴィンチ・コード」みたいな追われつつ謎解きする話じゃなくて、ノンフィクションなのにスリリングな展開の「謎の十字架」みたいなアプローチの作品だったら、題材がもっと生きたのではないかと思いました。
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