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洋書を主とした読書&映画の感想(ネタバレしてます)が中心の、自分用のメモです。
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Cold Comfort Farm
Stella Gibbons

ケイト・ベッキンセールのイギリスでの出世作となったという
テレビ映画版がすごく良くて、本国では名作として愛されている
という原作も読みました。


両親を亡くしたばかりのフローラ・ポストは、作家志望で
「50歳になったらオースティンの『説得』みたいな作品を書くの」
が目標。相続した遺産も微々たるものだったため、それまでは
親戚の元で小説のネタを集めつつ暮らすつもりでいる。
(フローラはまだ二十歳そこそこなんで、計画通りにいったら
あと30年は余所にやっかいになる計算なんですが……)

早速親類に手紙を出しまくり、行き先に決めたのは、一番奇妙な
返事をよこした従姉ジュディスの住むCold Comfort Farm。
ついてみると期待通り(?)、偏屈で変わり者揃いの家族が住んでいた。

叔母にあたるエイダ・ドゥームは、子どもの頃のトラウマを言い訳に
引きこもり生活をしつつ、一族全員を支配している。
(「あたしは森小屋で恐ろしいものを見たんだ」が口癖)

従姉ジュディスは、なにごとにも超悲観主義者。

夫のエイモスは教会で説教しては「地獄に落ちる!」と信者を脅すのが
生きがい。

長男のルーベンは農作業が大好きなのに、父&祖母が采配を振るう間は
全く思い通りにならず、くすぶっている。

プレイボーイなのに女嫌いな次男のセスは、密かなトーキー大ファン。

ポエマーな長女エルフィーンは、夢の世界に生きていて、しつこい
求婚者を降り切って、近所のお坊ちゃまと恋愛中。


こんな家族の中に「物事をきちんとするのが好き」なフローラが
乗り込んできて、勝手に改革計画を立てはじめる。

雇われ者のアダム爺やからは「ロバート・ポストのお子」と呼ばれつづけ
従姉ジュディスは「夫がロバート・ポストにした仕打ちの借りは必ず返す」
と謎のつぶやきを繰り返し聞かされつつも、全く怯まず
着々と改善を進めちゃうフローラ。ドラマでは何とも思わなかったけど
本で読むと「なんて勝手な、嫌な女!」と思いました(笑)
のんびりした時代のお話だし、終わり良ければ全て良し、で
丸く収まるんで良いんですけどね。


しかし長期にわたって、ふらりと現われた親戚を養うなんて
今の時代だったらありえなさそう。部屋があり余ってるお屋敷だったら
あり…か??でも無期限滞在予定で、フラフラしてるだけの居候
受け入れは、今だったらしないよねぇ。のんびりした良い時代だったのか、
受ける側にしてみれば、こんな面倒を抱え込む心配のない、今のほうが
良い時代というべきか……。
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