洋書を主とした読書&映画の感想(ネタバレしてます)が中心の、自分用のメモです。
15歳以上の人間がゾンビ化する謎の病気が発生してから一年。
ロンドン北部にあるスーパーマーケット、ウェイトローズに立てこもり
生き延びている子どもたちがいた。食料も底をつき、「大人」に襲われる
恐怖におびえながらも、少数精鋭のハンターが近所の空き家に繰り出して
食べものを漁り、やっと食いつなぐ毎日。
そこにある日、ロンドン中心地に安全で食料も豊富な場所があるという
噂がとどく……。
裏表紙のあらすじを読んでまあまあ面白そうかな~と思いつつ
手に取った一冊。怖かった……。これは寝る前に読んだらやばいと
わかりつつもやめられず、夢にまで出てくる始末(笑)
ときどき一人称の視点が変なところで別人に切り替わることがあって
混乱させられたのは不満だったけど、手に汗握る展開で一気読み
したくなる作品でした。
物語のはじめ、生き残った子どもたちはそれなりに統率の取れた生活を
確立している。リーダーがいて、サブリーダーがいて、戦うのが得意な
ハンターグループがいて、安全便利に暮らすために知恵を絞る技術屋が
いて、守られて暮らす小さい子グループがいる。
でも食べ物も底をつき、危険な食料探索の旅も日増しに距離を
延ばさざるを得なくて、リーダー格の子の肩には日々仲間を守る責任が
ずっしり重くのしかかる。
なにせ一番大きい子でも13歳、せいぜい中学生程度というのが現実。
大人であってもつらい状況だろうに、子どもにはあまりにも過酷だよね
よくがんばってるよ……と、悩めるリーダーArranを慰めてあげたくなる
感じ。
そこにひょっこり現われたのがJesterという男の子。
「ロンドン中心部に安全で食料も豊富な場所がある」という。
その場所というのが→バッキンガム宮殿……←。詳しいことを
訊こうとしても上手くかわされるし、どうみても怪しいんだけど!!
希望のない日々を送っている方からすれば、乗らずにはいられない
ということで、ロンドン横断の旅がはじまる。
街中がゾンビ化したとき、食料豊富なスーパーに人が集るのは納得。
親が通っていたスーパーに自然に子どもたちの足も向くということで
最初の舞台となる高級スーパーウェイトローズに集まった子たちと、近所で
やはり別の子どもグループが生活している庶民派スーパー、モリソンでは
雰囲気が違うというのは、さすが階級社会イギリス、という感じ。
でも生き延びようとしたとき→バッキンガム宮殿他、ロンドンのその他名所←
を目指して人が集るのか、ほんとに? 長期的サバイバルには→自給自足の
ために広大な土地、つまり安全に囲われた庭が必要←というのは理解できるけど。
オープニングからしていきなり子どもが襲われるし、そこらへん容赦ない
です。誰が死ぬのかは本当に運しだい。でも一番怖いのは→生きている
人間←だったりするんだけどね~。
子どもだけが残ったら世界はどうなる? というテーマがずっと頭にあった
というチャーリー・ヒグソン。「ヤング・ボンド」シリーズを手がけた人で
息子がゾンビ好きなこともあってホラーを書いてみたかった、ということで
この作品が生まれたそうです。
これが"The Enemy"シリーズ第一弾。"The Dead"、"The Fear"と
つづきます。それぞれ主役は違うみたいだけどどこかでつながっていくの
かな~? 楽しみ。
追記:著者ご本人によれば、今のところ7巻シリーズになる予定とか。
巻数は増える可能性もありだそうです。
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