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洋書を主とした読書&映画の感想(ネタバレしてます)が中心の、自分用のメモです。
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Lost for Words (Lorelai Mathias)

主人公は出版社に勤めるデイジー。夢は大量に送られてくる持込作品の中から、ダイアの原石を見つけること。コミットメント恐怖症の彼、マイルズと結婚すること。

でも文芸エージェントの彼のコミットメントフォビアは、一ヶ所に縛られるのが嫌だからジムも何ヶ所も渡り歩いているという位、筋金入り。デートのドタキャンは日常茶飯事だし、デイジーとの付き合いも公にしたくないという我がままっぷり。だけど気が良くてマイルズに夢中の彼女は、どんな理不尽な扱いにも結局は素直に従っていた。

職場では、気分屋の上司の下、持込原稿の山に目を通しては、断りの手紙を書く毎日。定期的に入ってくる新人インターンもデイジーの担当だった。

ある日女ばかりの職場に、珍しくエリオットという男性がインターンとして入ってきて仲良くなる。そして待ちに待った、デイジーが夢中になるような持ち込み原稿も発見して、謎めいた作者とメールのやりとりを楽しみにするようになり・・・。


Chick litのお約束を全部踏んでる作品で、驚きはまったくなしでした。強いて言えば、主人公が完全に受身でひたすら待つ女なのは珍しいかな?

でも余りにも型にはまりすぎというか、表面的。どの登場人物のせりふも一貫して、決まり文句のオンパレードの、陳腐な表現ばかりだったし。全体的に説明不足でイメージがわきにくかったです。例えばマイルズが、「魅力的」という文があるだけで、どうチャーミングなのかの描写はなかったり。そんなんだからデイジーが夢中になる持ち込み作品も、それほど面白いか?って感じで、説得力に欠けるし。

あとエリオットが気が利いて(職場でも率先してお茶とか入れてくれる)、女だらけの環境にもしり込みせず(ランチのときデイジーの仲良しグループにもあっさり馴染む)、人の話に真剣に耳を傾けてくれるって、なんか・・・・・・理想の男性というより、女の子みたいじゃない?と思ってしまったのが、決定的だったかも(笑)

でも、イギリスの出版社の雰囲気を垣間見れたみたいで面白かったです。作家志望の人は、エージェントに作品を送るものなんだと思ってたけど、イギリスだと出版社に送るのもありなんですね?(出版が決まれば、もちろんエージェントをつけるみたいなんだけど)

最後の最後に→実はエリオットは、自作の出版のためにデイジーを利用していただけした←というところで終わり、とかある・・・わけもなく、主人公のフワフワ~とした印象のままに、安心して読める作品ではありました。

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The Heir (Johanna Lindsey)

物語のヒーローであるダンカンは、スコットランド人の父とイングランド人の母の間に生まれ、両親が亡くなった後はスコットランドで祖父に育てられた。しかしある日、イングランドより使者が到着し、とんでもない話を聞かされる。両親の結婚の条件として、ダンカンが母方のイングランドの侯爵家を継ぐ約束になっていたのだ。しかもダンカンの子どもが、スコットランドの家を継ぐ約束になっているため、両家の祖父はダンカンに一刻も早く結婚させたがっていて、婚約者までもう決まっていた。突然、彼はイングランドの祖父の下に送られることになる。

一方ヒロインとなるのはサブリナ。両親が食中毒で亡くなって以来、二人の未婚の叔母の下で育てられた。今年はロンドンのシーズンでデビューしたが、はじめてのパーティーでいきなり「呪われた血筋」(不審な死を遂げた人が多く、代々短命)という噂が流れてしまい、結婚の可能性はほとんどなくなってしまった。それを明るい性格のサブリナは気にも留めていなかった。

婚約者で社交界の華オフィーリアに「スコットランドから来た野蛮人」とバカにされたのにダンカンが腹を立て婚約破棄したことで、次の花嫁候補を探すためにパーティーが行われ、縁のないはずだったダンカンとサブリナは親しくなり、やがて惹かれあうが…。


思いっきりヒストリカルなロマンスもの。ハンサムなヒーロー、華はないけど性格がいいヒロイン。美人だけど性格が悪くて他人を振り回してばかりのライバル、それに反感をもつご友人。盛り上げるための役者はそろってます。実際、読ませるし面白かったです。

でもダンカンの行動がおバカすぎて何度もため息が出ました。サブリナも笑わせるようなことを言って、相手のいやな気分を忘れさせるのが得意な女の子っていう設定なんだけど、彼女の台詞がそんなに気が利いているとは思えなかったです。スコットランド訛りの台詞も、なんかなぁ。かえってアメリカ人が書いた作品というのが強調されただけのような。エキゾチックな背景が必要なのは分かるけど。あとこの時代に、結婚の約束もなくcompromiseされてしまうっていうのは、良家の娘ならありえないのでは(絶対ではないだろうけど)……でも、ロマンスもののお約束だからしょうがないのか、と半分諦めながら(?)読みました。いや、全体的には楽しく読んだんですけどね。

しっかしお約束、といえば、最初のページにある挿絵。上半身裸でキルト姿のゴリラっぽい男性に、時代考証の欠片も感じられないネグリジェみたいなドレスを着た女性がスコットランド(?)のハイランドらしき風景を背景に描かれているんですが、ストーリーとかけ離れすぎてげんなり。表紙のイギリスのお屋敷らしき絵だけで十分なのに。
Sex, Lies, and Online Dating
Rachel Gibson

 ルーシーはミステリー作家。オンラインのプロフィールでは看護婦を装って、デーティングサイトで色々な男性と会っている。が、実は執筆中の新作のために、殺人事件の被害者のモデルを探しているだけだった。
 クインは殺人課の刑事。連続殺人事件を捜査中で、犯人の女はオンラインで被害者を探しているとにらんで、おとり捜査中。
 こんな二人が出会って、お互い嘘をつきながらも、だんだん惹かれあうが…。


 最初はお互い相手をなんだか怪しいと思いつつも、好きになっちゃうという、軽~い調子ではじまるんですが、そもそもなんでルーシーがクインを受け入れちゃうのか不思議。いくらハンサムで(ルーシーの)好みのルックスだったにしても、最愛の妻を亡くして間もないのに、すでに新たな出会いを求めてるっていう男って、怪しくない?しかも二度しか会ってない人と電話で話してて、「今どんな下着をつけてるの?」なんて聞かれたら、セクシーな気分になるよりも気持ち悪くないか??と、まだ良く知らない間柄なのにルーシーを「ハニー」だの「サンシャイン」だの呼んだり、言うことがいちいち陳腐なクインに、読んでてイライラしました。

 "Breathless"と名づけられた、被害者男性を手錠でベッドにくくりつけては、クリーニング店のビニール袋で窒息させる連続殺人事件が、もう少し面白い方向に発展しないかと期待するも、単にルーシーとクインを無理やりくっつけるための言い訳でしかなくて残念。エッチシーンが妙に詳細だったり、作者としては「ロマンスもの」であるからにはお決まりの道をなぞって、決められた結末にひたすら向かうしかないのかな~、と途中からは冷めた目で読んでました。三分の一くらいまでは面白かったけど。導入は良かったし、ルーシーの作家仲間四人組の会話なんかは面白かったのに、全体的にはもったいなかったな~。
Sushi for Beginners
Marian Keyes

 アイルランドを舞台にリサ、アッシュリング、クロダの三人の女性を中心に物語りは進む。

 リサはロンドン在住のファッション雑誌の編集長。次はニューヨークに転勤して、さらに有名な雑誌の編集長に昇進するつもりだったのに、アイルランドに飛ばされて、新しい女性誌を作るよう言われて落ち込む。

 アッシュリングはアイルランドで地味~な主婦向け雑誌社に勤めていたが、適当に書いた記事が問題になってクビになってしまう。準備良く気の利きすぎる性格が幸いして、運良くリサの元に転職が決まるが、なぜかリサからは疎まれてしまう。

 クロダはアッシュリングの幼なじみで、専業主婦。ハンサムでやさしい夫、二人の子どもと素敵な家に住んで、人もうらやむ生活をしているが、本人は物足りなくて不満たらたら。再就職も考えるが、地味なお茶汲み&コピー役の仕事しか見つからない。


 Marian Keyesは以前エッセイ集を読んだことがあるだけで、小説を読むのはこれがはじめてでした。彼女は「インスピレーションが沸くのを待っていたら、いつまでたっても書けないので、ノルマを決めて毎日とにかく書き進める」とエッセイで言っていましたが、まさにそういう感じのストーリー。特に大きな流れもなく、登場人物の日常生活描写がひたすら続く。ある意味すごいリアルなんだけど、そのリアルさ加減が、特に親しくもない知り合いの日常生活を延々と聞かされてるような感じ。

 他人を蹴落としてでも這い上がってきた、意地悪なリサは、有名誌を離れてしまえばファッション業界に個人的影響力もなし。アッシュリングはタロットカードやラッキー仏陀の像に運を求める(その理由は段々に明かされるんだけど、とってつけたような印象)。クロダは専業主婦なのに料理も掃除もせず、子どものしつけさえできてない、と読んでてむなしくなりました。別に深い人生の意味とかを追求してくれとは思わないけど、登場人物がどれも方向性もなくさ迷ってるだけっていうのは、なんだかな~。
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